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かつてコチラに来た事があるが、私が印刷を頼んだ訳では無い。1997年の初夏の週末の土曜日、名古屋のアパートから岐阜の実家に帰って朝寝を決め込んでいたら『センセイ』から電話がかかってきた。今日、暇ならちょっと付き合ってくれという『センセイ』というのは私の中学の同級生で格闘ゲームの鉄拳がめっぽう強いので周りから『センセイ』と呼ばれていたのだが、ゲーセンに行くと見ず知らずの人達からも『センセイ』と呼ばれていた。どうせ午後からも予定が無かったので『センセイ』の住むタワマンへと向かった。タワマンの前で待ち構えていた『センセイ』は私の車の助手席に乗り込むなり、「ちょっと蒲郡まで行かないか」と言って来た。「センセイ、蒲郡って何処か知ってんのか?ちょっとって距離じゃ無いぞ!」と私が言うと『センセイ』は「名古屋のちょっと向こうだろ…車で1時間くらいで行けるだろ」とサラリと言ってのける…『センセイ』は当時、浪人生で車の免許も持っていなかったので、愛知県の市町村の土地勘だとか距離感が全く無かったのだ…「そもそも蒲郡まで何しに行くんだよ」と私が聞くと「同人誌の印刷して貰うんだよ…今日中に印刷所に持ってかないとビッグサイトのコミケに間に合わないんだよ!」丁度、私は中古のBMWを購入したばかりで、買った中古車屋から1度高速道路を走らせたほうがいいと言われていたので、まぁ暇だし、ガソリン代も高速代も『センセイ』が払うというから取り敢えず行く事にした。まずは本屋に立ち寄り蒲郡の地図を購入した。余談だが後日、当時付き合っていた彼女が車に置いてあった蒲郡の地図を見て「ガマグンって何処?」と聞いてきた。私は彼女の事を馬鹿だなぁとは思わず、逆に〈ガマ〉は読めるんだ!と感心した。しかし『センセイ』は印刷代(オフセット印刷にかけてお布施と言うらしいが本当だろうか)を捻出する為に親から貰った予備校の参考書代(WINDOWS95で領収証を偽造)でカツカツのおサイフ事情だったので、地図や高速代はおろか、途中のサービスエリアで飲み食いした分まで私が立て替える羽目になってしまった…『センセイ』は「この本がコミケで売れたら倍にして返してやるぜ!」と豪語していたが…結果的にコミケでは案の定惨敗であったらしく、ブース代や印刷代で大赤字だったらしい…ロマン・ポランスキーの[ナインスゲート]は世界に3冊しか無い稀覯本の話であったが『センセイ』の同人誌は【世界で3冊しか売れなかった】稀覯本として私達の間では語り草となっている。(友人によるとあんなペラペラの白黒の同人漫画を千円で売って逆に3冊も売れたんだ!とびっくりしていたが…)結局、私に対する高速代等の負債は所持するCDで弁済したいと言う…「この中から好きなヤツ3枚選んでイイぞ」と言ってきたが、CD3枚では全然割に間尺に合わない…だが万年浪人生の『センセイ』からは全額回収は不可能と思われた。レッド・ツェッペリン「聖なる舘」ピンク・フロイド「原子心母」ストーン・ローゼズ「ストーン・ローゼズ」の3枚を選ぶと『センセイ』は「たくっ名盤ばかり持ってきやがって!」と憤慨していたが…だったら最初から持ってこなけりゃ良いのに。