歴史に刻まれた玉川浄水場の魅力。
東京都水道局 玉川浄水場の特徴
大正7年に通水された歴史ある浄水場です。
煉瓦門柱と給水塔に歴史的価値が感じられます。
現在は工業用水のみの配給を行っています。
東京都水道局東村山浄水管理事務所玉川浄水場。大正7年、荏原水道組合(多摩川水道株式会社)によって築造されたもので、現存する東京都の浄水場では最古の歴史を有する。現在では東村山浄水管理事務所(東村山浄水場)の管轄下に置かれているが、元はここが浄水管理事務所として、砧浄水場や長沢浄水場を管轄していた。昭和11年には近隣の多摩川に調布取水堰堤(現•東京都水道局調布取水所)築造され、以降そこから取り込まれた多摩川の水を原料として、上水道水と工業用水を製造業していたが、昭和30年代に入ると多摩川流域の開発によって川の水質が急速に悪化。特に調布取水堰堤がある多摩川下流では著しい水質汚染によってBOD値は10ppmを超過し、都内では隅田川と並んで「死の川」と呼ばれるに至った。更にはカシンベック病なる病の原因との嫌疑もかけられた結果、昭和45年に上水道水の製造が休止するに至った。以来調布取水堰堤から取り込んだ水で工業用水の製造は続けられたが、東京都水道局が令和4年限りで工業用水事業の廃止を決定したことから、それに先だって玉川浄水場での工業用水製造も休止となった。一方多摩川の水質は流域の下水道の整備が進んだことから徐々に回復の兆しを見せ始め、平成10年以降になるとBOD値も常時2ppmを下回るまでに回復。上水道水用の原料として取り込み可能な基準に戻ったものの、今度は多摩川の水の6割以上が流域の下水処理場から排出された放流水が占める状態となり、それがネックとなって上水道水の製造が再開される見込みは立っていない。従って現在の玉川浄水場は事実上の遊休状態であり、既に敷地の大半は東京都水道局の研修施設として再整備されてしまっている。今後の玉川浄水場の行く末は未定であるが、歴史ある施設なだけに保存して欲しいものだ。
今は裏門になっている煉瓦門柱と給水塔の形に歴史を感じます。
なにか問題があったらしく、現在は稼働していません。
いまは設備も処理能力も向上した他の浄水場へ役割を譲り、水道水の浄水はしていません。水道局の研修センターとして、水道の保守に関わる様々な技術や知識を訓練する施設として使われているそうです。大正時代から使われていた歴史ある浄水場で、敷地内には緩速濾過池の煉瓦の一部が残されています。
名前 |
東京都水道局 玉川浄水場 |
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ジャンル |
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電話番号 |
03-3722-7848 |
住所 |
〒158-0085 東京都世田谷区玉川田園調布1丁目19−1 |
評価 |
4.3 |
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大正7(1918)年に通水された玉川浄水場は、元来多摩川水系の水を浄水していたが原水の悪化により工業用水のみ配給しているらしい。