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民家の中に紛れる小さな寺院。川岸の平坦な小集落に点在する民家や畑。その間に僅かに見える花崗岩の門柱。入り口付近に寺号を記した標柱も無ければ、法華の寺院に大概ある題目塔も見当たらない。民家にしては立派な門柱だなと思いながら、違ったら困るなとドキドキしながら細い道を進む。正しく右手は民家に通じるが、その左手ある立派な門柱を過ぎると、一本高く上に伸びた葉の長い松。後ろの建物は古い農家の母屋かなと思う様な佇まい。辛うじて向背の木鼻に少し彫刻が見えて、この建物が本堂である事を証明している。境内は決して広くは無いが、左手奥に子安神社の社が鎮座している。子安堂ではなく子安神社である。造りも堂と言うより社である。境内の鎮守堂と言うよりも、独立した神社との共存なのだろうか？何れにしてもこじんまりとした、さっぱりとした境内である。