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阿見町大形に位置する金毘羅大権現は、航海・漁業の守護神として江戸時代より庶民信仰を集めてきた小祠である。金毘羅信仰は讃岐国(現・香川県)の金刀比羅宮を総本宮とし、江戸期には全国へ広がった。その背景には、海運・河川交通の発達と、それに伴う水難への恐怖がある。霞ヶ浦や利根川水系を利用する船乗りたちは、航行前に当地の金毘羅へ参拝し、安全と大漁を祈願したと伝わる。この地の大権現は、往時には村人の寄進により維持され、年に一度の祭礼では近隣から人々が集まり、酒や芸能を楽しみながら海上安全を祈ったという。今日ではその規模は縮小しているものの、石祠や基壇に往時の信仰の痕跡を残す。周囲の景観とあわせて、この地は地域の文化記憶を静かに語り続けている。