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名前 |
平将門文学碑 |
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ジャンル |
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住所 |
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HP | |
評価 |
5.0 |
出張の合間を縫ったプチ一人旅で立ち寄りました。春日部で借りたレンタカーの返却までに2時間ほど余裕があり、「どこか寄れる場所はないかな」と思い出したのが、平将門公ゆかりの史跡たち。坂東市観光協会のHPに掲載されていた中から、延命院(胴塚)→島広山・石井営所跡→國王神社と順に回り、最後の少しの時間を「銅像か、文学碑か」どちらに使うか少し迷いました。どちらも史跡というよりは平成以降に整備された記念物ではあるのですが、選ばれたのは文学碑でした。どうしても武人としての印象が先行しがちな将門公ですが、戦乱の中で捕らえられた敵将の妻に向けた配慮や、和歌から感じられる優しい側面を後世に残そうとしている文学碑の意図がいいなと感じました。将門公は敵将に妻子を捕らえられ亡くされているのですが、敵将の平貞盛と源扶の妻を捕らえた際、衣を与え、和歌を添えた話が残っています。そのとき、添えられた和歌がこちらの碑文に彫られています。「よそにても 風の便りに 吾そ問ふ 枝離れたる 花の宿りを」(遠く離れていても香を運ぶ風の便りによって、枝を離れて散った花のありかを尋ね求めることができます。同じように人々のうわさによって、散る花のように夫のものを離れて寄る辺ないあなたを案じています。)なお、捕らえられた二人の妻も返歌を詠んでいます。(「下総旧事記考」から引用)貞盛妻「よそにても 花の匂ひの 散り来れば 我が身わびしと 思ほえぬかな」扶妻「花散りし 我が身もならず 吹く風は 心もあへき ものにさりける」私は和歌をあまり理解できないのですが、このやりとりでその場の人たちの心が和らいだということなので、そういう教養を身につけた方たちだったんでしょうね。色々と紹介してくれていた坂東市観光協会に感謝なのですが、ここの地図だけ載っていないので、HPを修正してもらった方が良いかもしれません。Google Mapの方は適切な場所を示しているので、そちらを参考にすれば迷わずたどり着けると思います。まさか駐車場の中の一角にひっそりあるとは思いませんでしたが...なぜ、ここの一角を選んだんだろうという謎だけ残る、一人旅の〆になりました。