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| 名前 |
飛騨市指定史跡寺林の宝篋印塔 |
|---|---|
| ジャンル |
|
| 評価 |
3.0 |
| 住所 |
|
飛騨市指定史跡「寺林の宝篋印塔(ほうきょういんとう)」は、神岡町寺林の静かな山里にひっそりと佇む、歴史を感じさせる石造の仏塔だ。宝篋印塔とは元々、「宝篋印陀羅尼経」という仏教経典を収めるための塔だったけれど、鎌倉時代以降、供養塔や墓塔として日本全国で建てられるようになった。寺林の塔もその典型的な例のひとつで、花崗岩を用いた丈夫な造りで、鎌倉時代後期から室町時代頃に建てられたと考えられている。塔の表面には仏を示す梵字がしっかりと刻まれていて、建立した人々の深い信仰心や祈りを今に伝えている。この宝篋印塔が位置する寺林は、その名前からも昔は寺院があった場所と推測され、周辺には歴史的な逸話が残されている。特に近隣の若宮八幡神社(わかみやはちまんじんじゃ)は、源義朝の子、源義平が武運を祈願した場所という伝承があり、地域の古い歴史を感じさせる。また、この辺りは戦国時代、地元の豪族・江馬氏(えまし)が活躍した地域で、近くには傘松城(かさまつじょう)という堅固な山城も築かれていた。寺林の宝篋印塔自体に誰が建てたのかを示す明確な記録は残っていないけど、地域の人々が家族や先祖の供養のために建てたものだろうと考えられている。昔から大切に保存され、1975年に飛騨市の指定史跡に認定された。時代の移り変わりを静かに見守ってきたこの塔は、小さな山里の歴史や祈りを今に伝える貴重な遺産として親しまれている。静かな佇まいの中にも確かな存在感を感じさせる、そんな場所だ。