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名前 |
西鶴文學碑 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
4.3 |
天道言はずして国土に恵みふかし。人は実あって偽りおほし。其心は本虚にして、物に応じて跡なし。是善悪の中に立って、すぐなる今の御代をゆたかにわたるは、人の人たるゆへに常の人にはあらず。一生一大事身を過ぐるの業、士農工商の外出家神職にかぎらず、始末大明神の御託宣にまかせ、金銀を溜むべし。是二親の外に命の親なり。人間、長くみれば朝をしらず、短くおもへば夕に驚く。されば天地は万物の逆旅光陰は百代の過客、浮世は夢幻といふ。時の間の煙、死すれば何ぞ、金銀瓦石にはおれり。黄泉の用には立ちがたし。然りといへども、残して子孫のためとはなりぬ。ひそかに思ふに世に有る程の願ひ、何によらず銀徳にて叶はざる事、天が下に五つ有り。それより外はなかりき。「日本永代蔵」一巻「初牛は乗ってくる仕合」より。