百間川土手で歴史を感じる。
藤本鉄石君生誕地の特徴
百間川の土手近くに位置し、歴史を感じることができる場所です。
吉川英治の美しい日本の歴史が呼び起こす、藤本鉄石の一節を探訪できます。
鼻の白粉について考える、深い文学的体験が得られる史跡です。
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名前 |
藤本鉄石君生誕地 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
3.0 |
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百間川の土手近くにある生誕地を訪ねて、吉川英治の「美しい日本の歴史」に書かれている藤本鉄石の一節(「鼻の白粉」)を思い出しました。内容は、十八世紀ごろの日本版ラブシーンで、幕末維新の先駆をなした天誅組の首領、そして、書画・和歌・漢詩に優れたと言われる、人となりがよく分かる逸話です。ざっくり書くと。淡路島洲本の当時、志士たちのパトロンをしていた宅に、長らく滞留していて、その家の娘に絵など教えているうちに、ついいい仲になった鉄石。しかしその後、いよいよ天誅組一味の大和旗挙げのため別れを告げた時に、娘は泣き乱れ、「一緒に連れていって」とおさまらず、さすがに弱った鉄石でしたが。「連れて行くから」と、まるで子供をあやすように、泣きじゃくる恋人の背を撫で落ち着かせたあと。突然、彼女の鏡台の白粉ツボへ指を入れて、自分の鼻の頭へその白い物を少しくっつけて見せます。それを見た娘が、ハッとし息を飲んでいる隙に、鉄石はそっと去っていきました。『いいだろ、こうして連れて行けば。――どこまでもお前の匂いは忘れっこないよ』・・・という、鉄石のユーモラスで気の利いた別れ方でしたが。そんな人間味が、この地で培われていたんだなと感慨深くなりました。