変形六叉路の庚申塔、歴史のひととき。
享保七年三月健之銘 駒型 庚申刻像塔。「九品仏道」「右瀬田ヶ谷道」と道標を刻む。碌な地図のなかった当時は,こういった道沿いの標識が目的地までの便りであった。なお,右は品川方面なので,元は違う方角を向いていたのだろう。また,「帝釈天王爲二世安楽」と刻む。庚申尊像のことを帝釈天と呼ぶのは,日蓮宗系の庚申講なので,この雪が谷村の庚申講社はその系統であった可能性がある。塔身下部の三猿と作塔関係者と見られる人名の,配置に見覚えがある。よくよく考えた結果,一昔前の少女漫画原作の日曜アニメのEDスタッフロールのワンシーンと記憶が結び付いた。向かって左手は,正徳二年二月健之銘 駒型 庚申刻像塔。
名前 |
東雪谷庚申塔 |
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ジャンル |
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住所 |
〒145-0065 東京都大田区5丁目12 Unnamed Road |
評価 |
3.5 |
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変形六叉路に堂宇があり、2基の庚申塔が祀られています。2基の庚申塔のうち、向かって左側は風化を受けて、だいぶ丸くなっていますが青面金剛像。上方に日月、六臂、下方に二鶏、三猿。右側はかなり保存状態が良いといえます。六臂合掌青面金剛像。上方に瑞雲つき日月(逆様)。持物は法輪、戟、弓矢、ショケラ、宝棒。足下に邪鬼。下方の二鶏と三猿が、互いに遊んでいる様な配置になっていて、なんだか楽しそうで、鳥獣戯画を思い起こさせます。三猿の中央は聞かざるですが、左右の横向きの猿は腕の位置が似ていて、見ざる、言わざるの判別がつきません。「奉」、「帝釋天王為二世安禾」。「二世」とは「現世」と「来世」です。「安禾」は「安穏」の略と思われます。道標を兼ねていて、「右 瀬田ヶ谷道」、「享保七壬寅三月吉日」(1722年)、「左 九品仏道 雪ヶ谷村」とあります。