浄光明寺で出会う阿弥陀三尊像。
浄光明寺 収蔵庫の特徴
鎌倉市扇ガ谷の浄光明寺に立ち寄り、阿弥陀三尊像を見学できます。
阿弥陀堂から移された国指定重要文化財を楽しむことができます。
収蔵庫では、観世音菩薩と勢至菩薩も同時に堪能可能です。
元々は隣の阿弥陀堂に安置されていた、国指定重要文化財の阿弥陀三尊像が収蔵されています。鎌倉地方独特の装飾技法である土紋や、優美な曲線を描く衣紋をはじめ、見どころ満載の素晴らしい仏様です。鎌倉の仏像で国宝に指定される2件目があるとしたら、間違いなくこちらの阿弥陀三尊像でしょう。そんなこともあってか(?)、最近は展覧会に出陳される機会も多いようです。ちなみに別の方が掲載されていらっしゃる写真は、現在阿弥陀堂に安置されている仏様です。
阿弥陀仏が祭られているお堂。
| 名前 |
浄光明寺 収蔵庫 |
|---|---|
| ジャンル |
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| HP | |
| 評価 |
4.5 |
| 住所 |
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鎌倉十井の泉ノ井からの帰り道、浄光明寺に立ち寄ったところ、国の重要文化財:阿弥陀三尊像(阿弥陀如来、観世音菩薩、勢至菩薩)が一般公開されていました。元々、阿弥陀三尊像は仏殿(阿弥陀堂)に置かれていたものを収蔵庫の完成に合わせて移したそうです。阿弥陀如来像の肩、袖などにある浮き彫り状の装飾は、木を彫ったものではなく、土を型抜きした紋様を貼り付け、ニカワで固めた、「土紋」という鎌倉独自の技法だそうです。また、両手を胸前に挙げる説法印を結んでいますが、阿弥陀如来には、指の形、手の位置から上品、中品、下品☓上生、中生、下生の九品があるとのことでした。あと、阿弥陀如来の爪が長く伸びていますが、これは爪で引っ掛けてでも、より多くの人々を救おうとしているためとのことでした。なお、この阿弥陀如来像ですが、1本の木から彫りだしたわけでは無く、寄せ木細工のように、いくつかのパーツを組み合わせて作られているそうです。このため、内部から文書が見つかり、1299年(正安元年)、北条久時の発願によって造立されたことが判明しているそうです。また、収蔵庫には、足利直義の念持仏と伝わる矢拾地蔵があります。戦のさなか足利直義の矢がつきてしまい困り果てていると、そこへ一人の小僧が現れ、 落ちている矢を拾い集めてきたそうです。不思議に思って見ると、それが地蔵菩薩だったとのこと。このお地蔵様は、少し前のめりになっていますが、これは、すぐに救いに行けるように、この姿勢になっているそうです。鎌倉二十四地蔵尊の一つになっています。(収蔵庫内は撮影禁止となっていました)なお、収蔵庫を建てる際、ここにあった観音堂を奥に移したそうですが、発掘調査を行ったところ、かつて、ここには、江戸時代のお墓があり、英勝寺が尼寺であったことから、男性を埋葬できず、こちらへ葬ったのではとのこと。さらに、その下には、礎石が見つかり、かつてここに伽藍(慈光院)が建てられていたことが分かったそうです。鎌倉国宝館に保管されている室町当時の浄光明寺敷地絵図のコピーで、当時、何がどのように配置されていたかまで詳しく教えて頂きました。これ以外にも、様々なお話を伺い、思わず愉しいひとときを過ごすことができました。