滝ヶ原町で出会う石切場ロマン。
滝ヶ原石 西山石切り場跡の特徴
のどかな道に佇む石切場のロマンを感じられ、秘密基地のような雰囲気が魅力的です。
滝ケ原石切場跡では、周囲の風景と調和した独特の歴史的な趣を楽しむことができます。
訪れることで、隠れた名所として新たな発見が待っているスポットです。
車が一台停めるスペースがあります。ひっそりとしているので、他者とかぶることはほぼないでしょう。写真で見るより実際のスケールに圧倒されます。アップされてる画角以外もおすすめです。
遠目でみるだけでわくわくできますわくわくしましょう。
目の前で見るより、ちょっと離れて畑を挟んだ通りから見た方が迫力あります車で観光に来てるなら車を走らせる価値はあるかと。
石川県にも石切場があったとは驚き栃木や群馬の北関東には有名な場所多いですが、ここもなかなかです中には一応、日本遺産とやらに登録しており、立ち入り禁止柵乗り越えた跡、多しですが、熊やダニが怖いので。
眺めるのならば灯台もと暗しにならぬよう少し離れた場所がおすすめです。手間の田園地帯の道路脇に看板と旗がご丁寧に立っていますのでそこから眺めると肉眼でもしっかり見えました。
秘密基地にしか見えん。
のどかな道に現れる石切場ロマンを感じるね🥸
人工的に四角く切り抜かれた「西山石切り場跡」は、天保年間から採掘が開始されたといわれ、滝ヶ原地区では3番目に始まったとされます。昭和の中ごろまで採掘が続きました。最盛期を支えた石切り場の一つです。
近くに行けるようになればいいのですが。
| 名前 |
滝ヶ原石 西山石切り場跡 |
|---|---|
| ジャンル |
|
| 営業時間 |
[木金土日月火水] 24時間営業 |
| HP |
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/1986/ |
| 評価 |
3.8 |
| 住所 |
|
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加賀地方の山中にある滝ヶ原町には、石に生きた人々の記憶が刻まれている。西山石切り場跡(にしやまいしきりばあと)は、江戸末期に開かれたとされるこの地の採石遺構である。かつて滝ヶ原石と呼ばれる緑色凝灰岩を切り出していた丁場の一つで、山腹に四角く穿たれた坑口が静かに往時を語っている。操業の最盛期には、ここから多くの石が切り出され、橋を造り、建物を支え、遠くの都市を形づくる一部となっていった。滝ヶ原の採石が始まったのは文化年間(19世紀初頭)と伝えられ、西山丁場は天保年間に開かれた。地元では、最も古い大滝丁場と本山丁場に続く三番目の石切場とされている。以後、昭和中頃までおよそ百年にわたり稼働し、明治から大正、昭和初期にかけては地域経済の屋台骨を成した。この丁場から産出される滝ヶ原石は、加賀地方特有の緑色凝灰岩である。適度な硬さと加工のしやすさ、水湿に対する強さにより、橋脚・蔵・基礎など建築資材として重宝された。加賀藩政下では、小松城や寺社の整備にも使われたといい、明治以降はさらに用途を広げた。例えば、観音下町で産する同種の凝灰岩「観音下石(日華石)」と並んで、東京の銀座や大阪の洋館、国会議事堂内部などにも用いられたとされる。西山石切り場跡は現在、採石を終えたまま山の斜面に残されている。開口部は四角く、高さ十数メートルの壁面が切り立っており、内部にはかつて石材を切り出した坑道が続いていた。現在は安全上の理由から立ち入りが制限されているが、坑口外からもその規模と構造を垣間見ることができる。粗削りの壁面には手作業で刻まれた道具の痕が残り、そこに立てば、かつての石工たちの呼吸や打撃の音が耳に響くようだ。この石切場は、単独で見るだけでなく、周辺の石造遺産とあわせて初めてその歴史的意義が浮かび上がる。近くには明治後期から昭和初期にかけて架けられたアーチ型の石橋群が現存しており、いずれも滝ヶ原石を使って地元の石工たちが建設したものとされている。特に西山橋は、この石切場から切り出した石材を運搬するために架けられたと伝わり、実用と技術の融合が見て取れる。また、滝ヶ原八幡神社には14世紀頃に建立されたとみられる石造多層塔が残っており、これは現地で産出された石を使った最古級の事例とされる。その高さ2メートルを超える塔身には、中世加賀における石造物の文化的成熟がうかがえる。西山石切り場跡は、そうした石文化の連続性の一部を担っており、近代の産業遺構であると同時に、地域の信仰や暮らしと深く結びついた文化資源でもある。今日、この地の採石場で操業を続けるのは本山丁場のみとなったが、滝ヶ原石の需要は細く長く続いている。近年では北陸新幹線小松駅や県立図書館の外構、古墳石材の復元などにも用いられ、現代の建築や景観にも息づいている。滝ヶ原町全体が「石の里」として知られる中、西山石切り場跡はその象徴的存在であり、地域に点在する石橋や石塔とともに、小松市が平成28年に認定された日本遺産「小松の石文化」を構成する重要な要素の一つとなっている。指定文化財ではないが、歴史・産業・景観の三つを結ぶ軸としての役割は大きい。石を切り出すことが人々の暮らしを支え、信仰を包み、技術を育んだ。その記憶を山肌に残すこの跡地は、静かに、しかし確かに、土地の来歴を語り続けている。