東京都武蔵野市の天然記念物、感動の樹木探訪!
| 名前 |
旧本宿のケヤキ |
|---|---|
| ジャンル |
|
| 評価 |
5.0 |
| 住所 |
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目35−14 |
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東京都武蔵野市にも、幾つか市が指定した天然記念物となる樹木があります。『幾つか』と言わざるを得ないのはその中に成蹊学園のケヤキ並木が含まれているからで、この並木が何本のケヤキがあるのか武蔵野市のページで分からないからです。さて、そんな武蔵野市の天然記念物たちですが、その中で武蔵野市内にありながら、東京都が指定した唯一の天然記念物がこの吉祥寺旧本宿のケヤキであります。JR中央線吉祥寺駅の東端のアトレ吉祥寺の改札から出て、線路の北側沿いに歩いて5分くらいの位置にあります。スマホでGoogleマップを見ていた方はたぶん驚くはずです。道というよりもマンションの入り口の行き止まりの道路で曲がるように指示されるからです。ガード下にスギ薬局、進む先にお洒落な歯科医院があれば間違いありません。吉祥寺旧本宿のケヤキは、私有地である駐車場の片隅に生えているのです。ちなみに、本宿(ほんじゅく)というのは、江戸時代の一般的な宿場で、村が単独または一体となって所定の人馬を常備したものとなり、おそらく五日市街道向けの本宿だったのでしょう。そして、往時にはケヤキの下にあったのは自動車ではなく、馬小屋だったのかもしれませんね。さて、見ればなぜこの木が天然記念物か分かります。とにかくでかいのです。隣に生えている木も、市街地で見かけるそこら街路樹なんかよりも大きいのですが、この木の前では霞んでしまいます。同じ駐車場内に背の高いイチョウもあるのですが、幹の太さが桁違いなのです。ケヤキ自身の枝葉をかき分けて、隠れている看板を読むと高さ29.0m、幹回り5.1mと言います。街路樹などを販売する会社が在庫しているケヤキは高さ12m、幹回り0.8~0.9mと言いますから、極めて長い期間をかけてここまで大きく育ち、風雪に耐えてきた事が推し量れます。その道はなかなか平坦ではなく、昭和41年(1966年)9月には台風24号の被害を受け大枝が折損してしまったり、幹の内部も地上7m付近から根元までは空洞になっているとの事です。絡まる蔦で分かりづらいですが、たしかに樹皮がはがれ、えぐれたようになっている部分に何かを充填したか蓋をしたかのような異なった色の部分があります。また、2本の支柱がケヤキを支えているのが見て取れると思います。毎年激甚化を続ける台風にこのケヤキはいつまで堪えてくれるか、と思いますが、所有者の駐車場はなかなかの太客がついているので大丈夫だろう、と思います。駐車されているワゴンRやムーヴ、フィット2ハイブリッドはまだ庶民には買える車ですが、プリウス4やmini辺りはプチブル、そしてベンツのセダンはもとよりベンツのSUV、シボレーのSUV、そして極めつけはトヨタのショールームでしか見たことのない水素自動車のmiraiが駐車されているのです。いざとなればしっかりとした樹木医に診てもらえるくらいは稼いでいるでしょう。まあ、比較的大きな3ナンバー車ばっかり敷地を走られてはケヤキも大変だとは思うのですが、大きな車ほどケヤキから離れて駐車されているところには好感が持てました。