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旧藏内邸は平成二十七(2015)年三月十日付で、庭園や建物など屋敷地全体が国の名勝に指定されましたが、旧藏内邸の価値は庭園と建物だけではなく、大正時代の当主、藏内保房が同時に整備した貴船神社と参道、一族を顕彰する銅像広場を含めた周辺地域全体にあります。東の山並みを庭園の借景とし、城井川のせせらぎの前の大鳥居から続く参道を進み、龍源川に架かる大きな石橋を渡って貴船神社(水の神様)を拝みます。神社に隣接して壮麗な邸宅が広がり、さらに西の山並みの一画には一族の偉人三名、久良知重敏、久良知政市、藏内次郎作の銅像(現在は台座のみ)が田園風景を見下ろすように建てられ、これらが谷の東西を結んで並ぶことはとても重要に思われます。藏内氏は明治時代から昭和前期まで福岡県筑豊地方を中心に炭鉱を所有し、また大分県などで錫や金の鉱山も経営した一族です。旧藏内邸から西に200mほど離れた丘陵地の斜面に造られた藏内三代の銅像広場にはエジプト風の意匠を持つ珍しい台座が残されており、黄金マスクで有名なツタンカーメン王の墳墓発見より始まったエジプトブームよりも数年前に既に築かれた事からも先見の明が窺い知れますね。旧蔵内邸だけでなく銅像広場に残されている台座や石垣なども見学する価値があります、藏内家が周辺の土地すべてをランドスケープデザインしていた規模の大きさに驚かされるとともに、藏内家の財力のみならずその知識の深さやセンスのユニークさに驚かされます。銅像広場には駐車場が有りませんので、旧藏内邸駐車場を利用して徒歩で訪れる事をお勧めします、徒歩でもそれ程時間は掛かりません。(2019年8月1日)