シーガルビューホテルの丘から絶景!
営業をやめてしまったが、シーガルビューホテルの庭園の南端にある、小高い丘の上の岩で、ここからの眺めが良い。大町桂月(明治・大正時代の文人)が、明治41年五戸町出身の雑誌「太陽」編集長であった鳥谷部春汀氏の誘いで十和田湖を訪れた際、ここ種差海岸にも立ち寄り、物見岩からの景色を「一望二十万石の眺め」と評した由。なぜ二十万石なのか?その根拠を考えると面白い。八戸藩はわずか2万石、盛岡藩なら幕末には20万石だったので、土佐藩士の出である桂月は五戸(盛岡藩の代官所があった)出身の鳥谷部氏の故郷の一部と思ったか?ここからは海が良く見える。シーガルビューホテルの建物が無い時代さらに大町桂月の訪問当時であれば隣接する山林も当時は禿山であろうから、もっと見通しが効いたろう。庭園として管理されていたので仕方がないが、かつては周囲にオオバイボタの灌木が多く、花の季節には良い香りで満たされたものだが、なぜかほとんど伐採されてしまった。丘の中腹にはオオヤマザクラが植えられている。シーガルビューホテル前のフェザントさんの敷地と物見岩背後の山林には多数のオオシマザクラがあり、このあたりには、この両種の交雑種の実生が育ったものが実に多い。オオシマにちかいものからオオヤマに近いものまで。交雑種も結実はよく、野鳥の良い餌となっている。このサクラが満開になるころ、この物見岩から眺めれば、鮫角が「桜の園」であることがわかるだろう。追記 6月27日再度訪れたので、画像を追加する。追加画像はオトコヨモギに寄生するハマウツボの花だが、海岸部で見たのではなく物見岩のあと一歩で頂上という場所にあったので、面白いと思った。ハマウツボは海岸の砂地に、多くの場合カワラヨモギに寄生するとされていて、砂地以外ではオトコヨモギに寄生することがある、とされている。大須賀の砂地にカワラヨモギは多いが、ハマウツボを見たことはない。中須賀の遊歩道沿いのオトコヨモギに点々と寄生しているのはこれまでよく見かけたが、物見岩の頂上にあるとは思わなかった。私が足しげく通うので、私の靴の底に種子が付着して運ばれたものであるかもしれないと思ったが、考えすぎか?物見岩のすぐ裏手の土塁を越えた山林はアカマツの自然林が広葉樹に置き換わろうとしている、自然の遷移に近い状態なのだが、広葉樹の構成がすこし変わっている。ミズナラ、コナラ、低木にカマツカはあるのはこの辺りに普通でここにもあるが、オオバイボタがたくさんある。それとオオシマザクラとオオヤマザクラの交雑と思われる個体がここにも数多くある。それとエゾエノキなのだろうが、葉はエノキとの中間型のように見える個体。低木層に(エゾ)クロウメモドキがあるのは珍しい。アケビ、ミツバアケビ、雑種のゴヨウアケビと三種そろっている。土塁のこちら側は明らかに人手が入っていて、レンギョウがある。考えてみれば、自然に見えようが、所詮は人手の入った自然なのだから、不自然があるのは当然なのだろうけれど。
名前 |
物見岩 |
---|---|
ジャンル |
|
住所 |
|
評価 |
4.7 |
周辺のオススメ

2023年7月東北旅行で訪問。シーガルビューホテルの向かい側にある物見岩植物園の中にある物見台で遠くまで見えます。この地に来るまで知らなかったので見られて良かったです。岩には手すりがついていて登りやすくなっていて物見岩の上からは小さくだが鮫角灯台が見える。