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前橋市消防団第1分団2部車庫詰所の沿革昭和3年当時の地図によれば、現在の前橋市消防団第1分団2部車庫詰所がある位置は、田中町(当時の町名)にあたるが、当初、駅寄り、南に約50m離れた場所に建てられていた。当時は、警察業務との関係から警察署と一緒の場所にあり、専任消防手を配置したことから、前橋市常備消防発祥の建物と推測される。この建物の竣工は、『前橋市事務報告書自昭和三年一月至昭和三年一二月』によれば昭和三年一二月二〇日とされている。さらに備考に「コンクリート施行期厳寒の為遅引し目下工事中」とあることから、すくなくも昭和3年度末(1929年)には完成したものと思われる。前述のとおり、この建物は建設当初地から現在地に戦災復興区画整理事業に伴い曳き家移転されたと思われ、現在地において数度の改修を経て現在に至っている。我が国においては、建物としての鉄筋コンクリート造は明治30年代(1897年)後半にその実例が現れるとされる。はじめは東京など大都市で用いられたようであるが、徐々に地方都市にもその使用が波及した。前橋では、群馬県庁昭和庁舎が昭和3年、群馬会館が昭和4年、(旧)麻屋デパートが昭和8年(1933年)に建設されている。この建物は、こうした例と同様、県内に現存する鉄筋コンクリート造建物として貴重な建物であり、歴史的にみて地域文化財として重要な価値を持つ建造物と考えられている。