足尾の巨大煙突、ジブリの世界。
旧足尾銅山製錬所大煙突の特徴
1919年に造られた46.9mの大煙突が圧倒的な存在感を放っています。
白い花と無骨な煙突の組み合わせがジブリ作品のような幻想的な風景を作り出します。
古河機械金属足尾事業所内に位置する歴史的な足尾製錬所跡が魅力を引き立てます。
2025年9月25日に訪問(というか通過)。歴史的背景を知ったうえでこの煙突を見ると何と言うか...色々と考えてしまいますね。良くも悪くも足尾地域のシンボルタワーです。
対岸の道路から迫力ある煙突が見えます車一台なら止める路肩はあります近づく事は出来ません。
松木村は、日光中禅寺湖と、山ひとつ隔てた南面の谷に江戸時代から拓かれた半農半林の静かな集落で、明治初期の記録では戸数約50〜60戸・人口250〜300人程度(1876年の記録では、51戸・276人)でした。1881年に古河市兵衛が足尾銅山の操業を開始し、1884年、松木村の対岸に大規模な「新梨子油製錬所」が建設され、1893年には、さらに大規模な「足尾製錬所」が稼働を開始します。製錬所から発生した鉱毒(亜硫酸ガス)を大量に含んだ煙によって、松木村の農作物は枯死し、桑畑も全滅。養蚕業も壊滅的な打撃を受け、魚も死滅しました。村人の健康にも被害が及び、呼吸器系の疾患を訴える人が増えました。一帯の草木は次つぎと枯れ、周辺は赤茶けた山肌があらわな荒涼な禿げ山に変わり果て、少しの雨でも大規模な洪水や土石流が起きるようになり、畑や家屋が土砂に埋まる被害も起きるようになりました。
白い花と無骨な煙突が織り成す風景はさながらジブリ作品の世界のようでした。
大きな煙突が銅山の象徴的存在。圧倒的威圧感さえ漂う。道から私だけ車を降りて一瞬で撮影。
実際に見るととても大きく目を惹きます。車で通りかかり、あのジブリに出てくるような煙突は何❓と思って検索したら精錬所跡だとわかりました。マニアが喜びそうな古びた歴史あるものです。
足尾製錬所跡に立つ、1919年(大正8年)に造られた高さ46.9mの煙突です。1989年に操業停止後、大煙突は近代化遺産として残されています。【参考】1914年(大正3年)に煙害から住民を守るために造られた日立鉱山の大煙突は高さ155.75mで、当時は世界一の高さでした。ただし、1993年に突然3分の1を残して倒壊しました。写真は1915年 使用開始時の大煙突。
古河機械金属足尾事業所内にある大煙突。初めて伺いましたが迫力があります。現在事業者は閉鎖しているため近くには行けませんが川を隔てた対岸からよく見えます。このような負の遺産、しっかりと残して後の世に伝えていく必要があると思います。
| 名前 |
旧足尾銅山製錬所大煙突 |
|---|---|
| ジャンル |
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| 営業時間 |
[木金土日月火水] 24時間営業 |
| 評価 |
4.4 |
| 住所 |
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足尾を象徴する遺構の一つです。かつては足尾の繁栄の象徴であり、足尾の町の盛衰をずっと同じ場所から眺めてきた大煙突が、現在の足尾や日光市、日本の国を見て、何を思いながら佇んでいるのかをつい考えてしまう立ち姿です。車で通過しながら見ることもできますがおすすめは、足尾行政センター(通洞坑そば)で自転車レンタル(電動アシスト付も有り 4時間830円)を利用して、自転車で回ることです。細い道に入ると、車では行けない場所に行く事ができたり、見ることができない景色に出会えたりします。