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名前 |
牧古墳群 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
4.0 |
遺跡名:牧古墳群現在地:三重県津市牧町(旧久居市)古代地名:伊勢国壱志郡日置郷現状:八柱神社の境内に古墳がある。境内に車1台分の駐車スペースがある。隣にある駐車場は住宅地用だと思われる。以前の八柱神社に参拝した時は、正直言って幽霊が出そうな雰囲気で廃神社だと思ったが、近年は玉垣や拝殿が一部修復されており、詳しい事情は分からないが、令和の時代に地域の神社が復活するのは素晴らしいことだと思う。私がこの古墳群に興味を持った理由の一つでもあります。墳形:円墳規模:・牧1号墳 墳径13m、高さ3m・牧2号墳 消滅・規模不明・牧3号墳 墳径9.6m、高さ2m・牧4号墳 墳径8m、高さ0.8m・牧5号墳 墳径8.5m、高さ0.8m、古墳の上に神社がある。築造時期:古墳時代後期外表施設:葺石はされなかった出土遺物:牧2号墳から須恵器の壺、高杯、蓋が出土。備考: 牧古墳群は牧町が位置する高台の南に存在している。雲出川に対して突き出した地形になっており、古くは川を利用した水運に適した立地だったと感じる。付近には牧遺跡や山室遺跡などが存在している。戦国時代には木造氏の牧城があったので、この辺りは「御殿山」や「馬場山」と呼ばれていた。・牧5号墳は八柱神社の本殿が上に建っていて半壊しているが、古墳の高まりがわずかに確認出来る。なお古墳の上に神社があるのは珍しいですが、式内社などは付近に古墳や遺跡が存在していることがよくあるし、古墳を信仰の対象にしている神社は全国に見られるので、特に不思議なことではない。有名な伏見稲荷大社の稲荷山には、お塚に取り込まれた古墳が存在している。三重県で古墳の上に神社が建っているのは猪名部神社、志氐神社、外宮摂社の田上大水神社などの例がある。ハ柱神社がある牧古墳群の場合は、古墳時代よりもずっと後の時代に、神を祀る塚として古くから存在していた古墳を社地として利用しただけで、古墳祭祀との関係はないと考えられる。・牧1号墳は牧5号墳の隣に位置しており、古墳が車道からでも明確に確認出来る。・牧3号墳と牧4号墳は分からなかった。ところで1972年に発刊された「久居市史」によれば3号墳と4号墳は現存している。しかし古墳が位置している場所は、現在は駐車場になっており、南の大部分は開墾されている。また神社の後方には農地へ降りる道が崖を切削して通っている。かつての光景とは大きく変わっている。おそらくこの数十年の間に3号墳と4号墳は消滅した可能性が高い。南の農地には古墳らしき地形も確認出来るが、残土を集めただけの盛土だと思われる。そもそも八柱神社が無ければ、この程度の古墳群は開発で消滅したであろうことは容易に想像できる。つまり神社があったので古墳が奇跡的に残っていると言える。古墳の被葬者像については、「久居市史」によれば地名である「牧」は新羅帰化族の真城史(まきのふひと)に由来すると推定している。「南に面する約18mの高台で、このあたりを俗称御殿山と呼んでいるが、この断崖の上に円墳5基(うち1基消滅)がある。西方の2号墳は早くに発掘されて畑となり石棺が運ばれたと里人はいう。現在、3号墳は盗掘され半壊し、1号、4号墳も盗掘のあとがみられる。5号墳の上に八柱神社の本殿が設けられている。いずれも8~13mの小円墳である。」【参考文献・久居市史】