歴史感じる名泉、葛飾明神の井。
葛羅の井【船橋市指定史跡】の特徴
永井荷風によって発見された歴史的な井戸跡です。
鎌倉時代から名泉と称される葛飾明神御手洗の井に注目です。
偶然見つけた小さな史跡には可愛い金魚がいてほっこりします。
葛飾明神はこの井戸の北隣にあったと伝えられます。その後、享保年間(暴れん坊将軍の頃)に葛羅の井の前にある坂の中ほどに移されました。葛飾明神の由緒は「元社地々凹の處なるにより、其の後今の地に移し奉る、故に今元社地の門の傍にある、井を古より葛の井と唱へ来れるも、此故を以てなるべし。(千葉県東葛飾郡誌 1923(大正12)年より)」と言っています。私は「葛飾明神は井戸の傍の低地にあったので高台に移した。少し離れた所にある葛羅の井を葛飾明神の御手洗というのはこのためである。」というように解釈しております。葛飾明神は、さらにその後、1916(大正5)年に勝間田の池(現勝間田公園)畔にあった熊野神社に合祀されて葛飾神社となり、現在に至ります。葛羅の井、葛飾明神、熊野神社はいずれも江戸名所図会(巻七ノ百六十八、百七十)に描かれております。
小さな史跡に可愛い金魚、ほっこりしました。
民家の奥にこんな立派な井戸があるとは驚きです。直径180 cmほどの井戸で、昔は 竜宮界に続くと言われてました。どんな日照りのときでも涸れることはなかったそうです。いつまでも大切にしてほしい場所です。
周囲を民地に囲まれて、少し興ざめしました。
京成西船駅から徒歩5分位、大きなけやきの前に説明板が設置され、次のように記されています。市指定文化財葛羅の井旧栗原本郷の葛羅の井は、葛飾明神の御手洗といわれ、明神の旧社地東下の古作道の路傍にあります。現在はコンクリートで固められた直径180cm ほどの円い井戸で、昔はこの水脈が竜宮界まで通じているといわれていました。またいかなる日照りにも水が涸れることはなく、瘧疾ぎゃくしつ(瘧おこり。主にマラリアの一種。)を患う者がこの井の水を飲めば、治るともいわれました。葛羅の井の前には、石碑があります。この石碑は文化9(1812)年、蜀山人大田南畝しょくさんじんおおたなんぼが本郷村の世話人惣四郎に頼まれて「葛羅之井」を揮毫し、銘文を撰したものです。文化10(1813)年に刊行された鈴木金堤の『勝鹿図志手繰舟』に、早くもこの石碑が紹介されました。また天保7(1836)年刊行の『江戸名所図会』では「葛飾明神社」の中で、挿絵と共に「葛の井」として紹介されています。その後人々の記憶から遠ざかっていましたが、戦後永井荷風が随筆『葛飾土産』でこの石碑を紹介したことから、再び世に知られる存在となりました。
立派な樹木と古そうな井戸がありました。西船橋から中山競馬場の途中です。
民家の庭先みたいなところに残るこの小さな「井戸跡」は、市川に住み、この一帯をよく散策していた永井荷風によって「発見」されたことで有名になりました。彼の随筆「葛飾土産」からちょっと長めの引用をします。 今年の春、田家にさく梅花を探りに歩いていた時である。わたくしは古木と古碑との様子の何やらいはれがあるらしく、尋常の一里塚ではないやうな気がしたので、立寄つて見ると、正面に「葛羅之井。」側面に「文化九年壬申三月建、本郷村中世話人惣四郎」と勒されていた。そしてその文字は楷書であるが何となく大田南畝の筆らしく思はれたので、傍の溜り水にハンケチを濡らし、石の面に選挙候補者の広告や何かの幾枚となく貼ってあるのを洗い落して見ると、案の定、蜀山人の筆で葛羅の井戸のいはれがしるされていた。 これは後に知つたことであるが、仮名垣魯文の門人であった野崎左文の地理書に委しく記載されているとほり、下総の国栗原郡勝鹿といふところに瓊杵神といふ神が祀られ、その土地から甘酒のやうな泉が湧き、いかなる旱天にも涸かれたことがないといふのである。 石を囲した一坪ほどの水溜りは碑文に言ふ醴泉の湧き出た井の名残であらう。しかし今見れば散りつもる落葉の朽ち腐された汚水の溜りに過ぎない。(引用ここまで)江戸後期の文人で、狂歌・戯作・随筆と多彩な活躍をした蜀山人こと大田南畝の名を聞いても、いまや好事家しか興味を持たないかも知れませんが、ビッグネームです。彼が筆を執る気になったのですから、なかなかのもの。碑の側面に彫られている「井戸のいはれ」は、残念ながら当方のスマホではうまく写せませんでした。
中山競馬場の近所で、さらっと歴史が感じられる。
災害時に役立つ、枯れない井戸。
名前 |
葛羅の井【船橋市指定史跡】 |
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ジャンル |
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電話番号 |
047-436-2894 |
住所 |
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HP |
http://www.city.funabashi.lg.jp/kurashi/gakushu/0005/p008871.html |
評価 |
3.1 |
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通りかかったら偶然見つけました!存在感がある大きな木です😊後から知ったのですが中に池があるそうです!私は民家の家と思い入らなかったです😊