スポンサードリンク
スポンサードリンク
名前 |
旧高知刑務所跡 |
---|---|
ジャンル |
|
住所 |
|
評価 |
3.0 |
旧高知刑務所は、1976(昭和51)年10月に高知市布師田に移転するまでここ現在の城西公園にあった。高知刑務所のつくりは、パノプティコンと呼ばれている。パノプティコン、もしくはパンオプティコン(Panopticon)は邦訳すれば全展望監視システムのこと。all「すべてを」(pan-)observe「みる」 (-opticon)という意味である。イギリスの哲学者ジェレミ・ベンサムが弟サミュエルに示唆を受け設計した刑務所その他施設の構想であり、その詳細が記された『パノプティコン』が1791年に刊行されている。パノプティコンは、円形に配置された収容者の個室が多層式看守塔に面するよう設計されており、ブラインドなどによって、収容者たちにはお互いの姿や看守が見えなかった一方で、看守はその位置からすべての収容者を監視することができた。日本での監獄・刑務所のシステムは、明治時代にフランスを手本として構築されたため、フーコー(Michel Foucault 発音例、1926年10月15日 - 1984年6月25日、フランスの哲学者、思想史家、作家、政治活動家、文芸評論家)が指して言っているパノプティコン監獄のモデルは、犬山市の博物館明治村にある金沢監獄にも小規模ながら窺い知ることができる。博物館網走監獄の「五翼放射状平屋舎房」も、パノプティコンを念頭に置いたものである。図も載せておく。(フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より)私も奈良少年刑務所を実際に見学したことがあるが、高知刑務所と同じパノプティコン型であった。奈良少年刑務所を航空写真で見ると高知刑務所と全く同じ様式である。扇形になった部屋(ほとんどが独居房)に少年たちは収監されており、中央監視塔に立つと、房は見えないが廊下すべてを見渡せ、小さな音も聞き取ることができる。このような形になっている少年刑務所は、案内の高知大学加藤教授(当時は准教授)によれば奈良少年刑務所だけだとのこと。また、高知大学加藤准教授によれば「この形は、死角がなく日常に生活するにはよくない」という。学校やその他人間が生活する空間に死角がないと「24時間見張られて、24時間緊張し続けることになろう。息がぬけないということで気が休まらない。」ということであろう。学校や教育施設は、これらに対して逆の発想で建設することが必要であろう。なお、奈良少年刑務所は老朽化により、2016年度末での廃庁(閉鎖)となった。その後星野リゾートが買収しホテルになる予定である。開業は当初予定の2021年から24年に延期。星野リゾートのホテルは金額が高いかもしれないが、美しい「監獄ホテル」でパノプティコンを経験するのもいいだろう。槙村浩は、反戦ビラ配布にたずさわったことで治安維持法違反で逮捕、この高知刑務所に投獄され、出獄後1938年9月3日、26歳で亡くなっている。