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名前 |
我田の大岩 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
4.0 |
可児の昔話久々利の我田から御嵩へ行く峠道。ここには落ち武者が隠れ棲んでおったり、白蛇がうじゃうじゃ出るということで、ここを通る者は難儀していた。ある日、ひとりの旅人が峠の大岩まで来ると、どっかと腰をおろした。「あーあ、気の重い仕事やが、うまくいくやろか。この道もここを過ぎると、何やらおそがい所があるげなし。」と言いながら、握り飯を取り出したが、少し目を離した隙に無くなってしまった。「さては、この大岩が喰ったか。」と、腹立ち紛れに叩いてみたが、自分の手が痛いだけ。「ええい。こうなったらさっさといくか。」と、荒々しい足取りで峠を下っていった。幸い何事もなく、目的地に着き、仕事もうまくいき大喜びした。けれど、どう考えても不思議なことは、蛇がたくさんいて恐ろしい所と聞いていた峠道を、楽々と越えることができたことや。そのことが、みんなに伝わって、「我田の大岩に、弁当をあげると、仕事がうまくいく。」「あそこに、お供え物をすると、蛇に難儀せん。」「困ったことがあったら、我田の大岩にお願いするがええわ。」と、結構な噂がたって、それを頼りに出掛けていく人も多かったそうや。なんでも、岩に向きあって願いごとをしているうちに、お供え物が無くなっていたら、その願いごとは叶えてもらえるんやと。そうやもんで、なんぞことあると、「ちょっと、大岩様まで行ってくるで。」と、丸盆にお洗米を入れて風呂敷に包むと、我田の大岩へと行くようになった。